伊藤美誠、シングルス14歳最年少V
「卓球ワールドツアードイツ・オープン」(22日、ブレーメン)
大阪・昇陽中の伊藤美誠(14)=スターツ=が女子シングルス決勝でペトリサ・ソルヤ(ドイツ)を4-2で破り、シングルスで最年少優勝を果たした。13歳だった昨年の大会では女子ダブルスで、平野美宇(エリートアカデミー)とのペアで最年少優勝し、注目を集めた。強豪が集まるツアー大会のシングルス初制覇で、日本代表として出場する世界選手権個人戦(4月26日開幕・蘇州=中国)に弾みをつけた。
勝利が決まると勝負師の顔が柔らかな笑顔になった。14歳の新星、伊藤がワールドツアーの女子シングルスで史上最年少優勝。エースの石川(全農)や福原(ANA)らが敗退する中で実力を証明し「うれしさ100パーセント」と喜んだ。
決勝の相手は世界ランキングこそ下だが、過去2戦2敗のソルヤ。「自分より格上。攻めていく」と決めて臨んだ。2-2の第5ゲームは11-12とゲームポイントを握られながら強打で追い付き、もぎ取った。
今大会は何度も競り合いを制した。松崎コーチは「相手の戦術変更への対応力がついた」と技術面の進歩を語る。さらに決勝前には「普段は黙っているが、硬くなっちゃいけないと思って」と笑顔でコーチと話す余裕もあった。技と心がかみ合い「全然予想していなかった」という頂点に駆け上がった。
2020年東京五輪の主役候補だが、来年のリオデジャネイロ五輪も完全に視野に入った。「リオはまず出場したい。東京ではシングルスと団体戦、どちらも優勝したい」と力強く高みを見据えた。