野獣松本4年ぶりV五輪連覇へ完全復活
「柔道・全日本選抜体重別選手権」(4日、福岡国際センター)
男子4階級と女子3階級があり、女子57キロ級で2012年ロンドン五輪金メダリストの松本薫(27)=ベネシード=が4年ぶり4度目の優勝を果たした。野獣の異名を取る松本は山本杏(国士舘大)との決勝で苦戦したものの、終盤に攻め立てて延長戦で勝利を手にした。同48キロ級は浅見八瑠奈(26)=コマツ=が近藤亜美(19)=三井住友海上=との“新旧世界女王”対決に勝ち、2年ぶり2度目の制覇を果たした。
ロンドン五輪覇者が完全復活した。昨年の世界女王、宇高を破って勝ち上がった山本との決勝。昨秋の仁川アジア大会を制したホープに序盤から攻め立てられた。ポイントこそ与えなかったが、一本背負いで頭から畳に落とされ、足技で前のめりに倒された。
「『あぶね~』と思いました」。これで目を覚ました野獣が逆襲に出る。足技で崩し、圧力をかけて攻めまくった。延長戦に入っても攻撃の手を緩めることなく、最後は山本への指導で4年ぶりの優勝をつかんだ。
昨年は1回戦で一本負けを喫し、涙をこぼした。「昨年の1回戦敗退が脳裏に焼き付いてびびって攻められなかった」。準決勝では技が出せず「指導1」のぎりぎりの勝利。決勝で「それを乗り越えて新しいステージにいけた」と喜んだ。
2週間前に賞味期限切れの卵で食あたりを起こす災難も乗り越えてつかんだ栄冠。「世界選手権に向けて、いい一歩」。世界女王に返り咲き、来年のリオデジャネイロで五輪連覇を達成する。