海老沼 涙の復活V「自分は挑戦者」

 「柔道・全日本選抜体重別選手権」(5日、福岡国際センター)

 男女7階級を行い、男子66キロ級で世界選手権3連覇中の海老沼匡(25)=パーク24=が決勝で高市賢悟(東海大)を下し、3年ぶり4度目の優勝を果たした。

 再び輝きを取り戻した海老沼が泣いた。「僕が勝つことで喜んでくれる人がいるので…。その人達のために勝って喜んでもらおうと…」。優勝インタビューは涙で声が詰まった。

 決勝の相手は、前回大会の準決勝とGS東京の3位決定戦で苦杯をなめた高市。押さえ込まれながらも必死に逃れた。ポイントでリードを保ったままの残り10秒、最後に背負い投げで技ありを奪った。「相手に2度も負けている。自分は挑戦者」。世界王者のプライドをかなぐり捨ててつかんだVだった。

 昨年12月のGS東京は、準決勝で高校生の阿部一二三に技ありを取られ、逆転負けした。「それからずっと自分と向き合いながら、どうやったら強くなるか考えてきた」。支えてくれたのは同じ柔道家だった26歳の妻・香菜さん(旧姓阿部)だった。

 昨年12月に結婚。63キロ級で2度の世界選手権に出場した妻は言った。「休んで気持ちを切り替えればいいじゃない」。年明けまで練習を休んで気持ちをリセットした。

 海老沼が「妻もここで満足することはない」と言えば、香菜さんも「泣きそうになったけど、涙は五輪まで取っておきます」と笑った。2人の合言葉は笑顔。世界選手権、そして五輪へ。夫婦はもっと笑顔を増やしていく。

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