羽生、今季自己ベストも「悔しい」

 「フィギュアスケート・世界国別対抗戦」(16日、代々木第一体育館)

 男女ショートプログラム(SP)とアイスダンスのショートダンス(SD)が行われ、男子SPで羽生結弦(20)=ANA=が、自身の今季ベストとなる96・27点をたたき出し、1位につけた。女子SPで村上佳菜子(20)=中京大=は5位、宮原知子(17)=大阪・関大高=は6位。SDと合わせ、日本はチーム得点で米国に次いで2位発進した。

 日本のファンが送る大喝采の中で、羽生は静かにうつむいた。3回転ルッツ-3回転トーループの連続ジャンプでの回転不足に、転倒も重なり「悔しい」と唇をかんだ。不安があった4回転を完璧に決めて得点を伸ばし「正直、びっくり」の今季SP自己ベストにも、表情はさえなかった。

 自身初の国別対抗戦。「みんなの顔を見たら、すごく残念そうだった」。演技後、仲間へ向かって思わず両手を合わせていた。

 連覇を狙った3月の世界選手権は2位。昨年末の腹部手術に、1月に捻挫した右足首と、状態は万全ではない。今大会の出場を決めたのは「このまま終わりたくない」という決意からだった。

 しかし、課題のルッツでまたもミス。「こっちにきて1回もミスがなかった。自信を持ってやってきたけど…」と、無念の思いは晴れなかった。

 「1番悔しかったのは、間違いなく(世界選手権の)フリーなので。その悔しさをぶつけたい」。今季最終戦、自分に勝ち、日本を逆転Vへと導く。

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