錦織8強 昨年決勝相手に圧勝
「男子テニス、バルセロナ・オープン」(23日、バルセロナ)
シングルスで2連覇を狙う世界ランキング5位の第1シード、錦織圭(25)=日清食品=は3回戦で世界31位のサンティアゴ・ヒラルド(27)=コロンビア=にストレート勝ちした。24日の準々決勝で、ロベルト・バウティスタ(27)=スペイン=と顔を合わせる。昨年の決勝でヒラルドにストレート勝ちし、クレーコートのツアー大会で初優勝を果たした錦織は、第1セットの最初4ゲームを連取して勢いに乗り、危なげなく勝利をつかんだ。
クレーコートで初優勝を果たした前回大会から1年。錦織がバルセロナでさらに成長した姿を見せた。昨年の決勝の再現となった一戦で、会心の勝利を挙げ「大事なところでいいプレーができたので、とてもうれしい」と声を弾ませた。
4ゲーム連取後、2ゲームを続けて落として迎えた第1セット第7ゲーム。ここで見せたプレーが大きかった。ヒラルドのブレークポイントで跳び上がってバックハンドのクロスを打ち込み、窮地を脱してキープ。失えば流れが変わりかねない場面でビッグプレーを決め、勢いを加速させた。
第1セットのポイント数は39-33と、それほど離れていない。しかし「長いラリーやブレークポイント、大事なところでポイントを取れた」。その手応えが、6-2と圧倒的なゲームカウントに表れた。「後半になるにつれていいテニスになった」と、第2セットは相手に1ゲームしか許さなかった。
赤土の上で左右前後に走って相手の決め球を拾いまくり「クレーならではのテニスに慣れてきた」と充実した表情を浮かべた。さらなる強敵が待つ今後に向け「長いラリーになると思うが、自分のプレーを続けたい」。この日のように、第1シードにふさわしい実力を出し切れば、2連覇はおのずと見えてくる。