内村、前人未踏8連覇「自分の道進む」

 「体操全日本選手権・個人総合」(26日、国立代々木競技場)

 男女決勝が行われ、男子はすでに世界選手権代表に内定している内村航平(26)=コナミスポーツク=が予選、決勝の合計182・700点で前人未到の8連覇を達成した。8度目の優勝も歴代単独最多となり、名実ともに日本体操界のレジェンドとなった。予選得点を持ち越さない女子は、寺本明日香(19)=中京大=が57・350点で初優勝を飾った。

 気分が乗らなくても、体が重くても、しっかり勝ちきるからこその“絶対王者”だ。全種目を通じて会心の演技はなかった。それでも終わってみれば、予選、決勝とも1位の得点で完全V。内村が、改めてその底知れぬ強さを誇示した。

 昨年よりも大幅に難度を上げた構成をやりきり、独走した予選から中1日。反動が出た。「朝起きたときから、気持ちに上がってくるものがなかった。初めてのこと」。急きょ、演技構成の難度を大幅に落として決勝に臨んだ。

 跳馬も、予選で成功させたリ・シャオペン(Dスコア6・2点)ではなく、ロンドン五輪で使ったシューフェルト(Dスコア5・6点)に変更。それでも1種目ごとに体を疲労感が襲い、平行棒ではさらに演技内容を落とした。演技の難易度を示すDスコアの合計は予選の39・0点から、36・8点まで下げた。しかし、安全策に徹した状況でも、若手の追随を許さなかった。

 前人未到の8連覇で、男子史上最多のV8。名実ともに体操ニッポンの生ける伝説となったが「勝敗にこだわりはない」と、いつものように言い切った。ただ、この日、表彰台の頂上で1つ思ったことがあった。「自分がここに立ってないと、若手に刺激を与えられない。できる限りキープしたい。それが日本の底上げになる」

 これで個人総合は32連勝。実に6年半以上、負けがない孤高の王者。「誰がどうあろうと、ただひたすら自分の道を進んでいこうと思います」。その王道の終わりはまだまだ見えてこない。

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