原沢初V 準決勝で因縁のライバル撃破
「柔道全日本選手権」(29日、日本武道館)
体重無差別で争われ、3度目の出場となった原沢久喜(22)=日本中央競馬会=が、決勝で昨年の世界選手権100キロ超級銀メダリストの七戸龍(26)=九州電力=に優勢勝ちして初優勝した。2連覇を狙った王子谷剛志(22)=旭化成=は準決勝で原沢に敗退。今夏の世界選手権(8月・カザフスタン)100キロ超級代表には準優勝の七戸が選ばれた。
全日本のタイトルを獲得した瞬間、原沢は大の字になったまましばらく動けなかった。小外刈りで有効を奪い、そのまま逃げ切って悲願の日本一を達成。「応援してくれたみなさんの声が自分を支えてくれた。今は感謝の気持ちでいっぱい」と勝利をかみしめた。
勝負どころは準決勝の王子谷戦だった。早鞆高時代からことごとくタイトルを邪魔されてきた同い年のライバルで、昨年の全日本選手権、3週間前の全日本選抜体重別でも敗れている。だが、この日は先に技をかける攻撃柔道で相手に指導3つを与えて優勢勝ち。その勢いのまま頂点まで駆け上がった。
この4月に世界選手権金メダリストの小川直也らを輩出した日本中央競馬会に入社。世界選手権代表は惜しくも逃したが、来年の五輪出場へ展望が開けたことは間違いない。