クレーの錦織 フェレールに完勝で4強

 「テニス、マドリード・オープン」(8日、マドリード)

 男子シングルス準々決勝で世界ランキング5位の第4シード、錦織圭(25)=日清食品=が世界8位の第7シード、ダビド・フェレール(33)=スペイン=を6-4、6-2のストレートで破り、2年連続でベスト4に進出した。準優勝した昨年に続く決勝進出を懸けて9日(日本時間10日未明)の準決勝で第2シードのアンディ・マリー(27)=英国=と対戦。3連覇を目指す第3シードのラファエル・ナダル(スペイン)、第6シードのトマーシュ・ベルディハ(チェコ)も4強入りした。

 悪いリズムを断ち切る修正力が光った。4月のバルセロナ・オープンに続く優勝を狙う錦織は球足が遅く、体力を求められるクレーコートで今季無傷の8連勝とした。元世界3位のフェレールを寄せ付けず「1セット目の後半からやるべきことが見えてきた」と勝負強さを発揮した。

 立ち上がりは「バウンドと風」に対応できず、打ち損じやリターンミスを連発。ラケットを交換して試行錯誤しながら打開策を探った。相手の凡ミスにも助けられ、第1セットは0-2から盛り返した。

 クレーを得意とする地元スペインの実力者とはいつも息詰まるラリー戦になる。昨年は準決勝で3時間近く競り合った。今回は素早い仕掛けが奏功し「勇気を持って前に出たプレーも効果的だった」と1時間12分で決着をつけた。

 元全仏オープン覇者のマイケル・チャン氏に昨季から師事し、苦手意識があったクレーでの戦いに「もう不安がない」と自信を漂わせる。格付けが高いマスターズ大会初制覇へまた一歩前進。「ここまで来たので思い切ってプレーできる」と攻めのテニスを貫く覚悟だ。

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