前田Qちゃん式トレで初V「効果ある」

 「仙台国際ハーフマラソン」(10日、仙台市陸上競技場発着)

 初のハーフマラソンに挑んだ世界選手権(8月・中国、北京)女子マラソン代表の前田彩里(23)=ダイハツ=が、1時間10分24秒で初優勝を飾った。

 低迷する日本女子マラソンのニューヒロインとして期待される前田が、杜の都でも圧巻の走りを披露した。日本歴代8位の2時間22分48秒で代表入りを決めた3月名古屋ウィメンズから約1カ月のオフ。同レースで骨折した左手首の回復を優先したこともあり、2週間前に練習を再開したばかりだった。

 「正直、自信はなかった」と決して万全ではない状態の中、前半から先頭で引っ張る果敢な走り。「本当はもっと(前半は)抑えるつもりだったけど、最初から前にいっちゃって…。まあいいかと(笑)。マラソンを走った後だったので、ハーフは短く感じた」。そんな状況下でも、同じ世界選手権代表の重友らに圧勝し、底知れぬポテンシャルを改めて示した。指導するダイハツの林監督も「50パーセントもない状態。ビックリ」と、舌を巻いた。

 さらなる進化に向けて、肉体改造にも取り組んでいる。これまで筋力の不足を指摘されてきた前田は、オフ明けに00年シドニー五輪金メダリストの高橋尚子さんに、高橋さんが現役時代に取り入れていたという腹筋、お尻回りの筋肉を鍛える10種類の筋トレメニューを伝授された。まずは10種類×10回ずつ始めているという。教わっている姿を撮影したものをDVDにしてもらい、今後はまさに“Qちゃんズブートキャンプ”の形で世界選手権までに30回ずつを目標に筋力アップに励む。

 今大会ゲストランナーとして参加した高橋さんに「もうお腹が引き締まってきたんじゃない?」と聞かれ、「まだまだです。プヨプヨですよ。プヨプヨ系女子です」と、苦笑いを浮かべた前田。高橋さんは現役時代、同メニューを朝、夕100回ずつ計2000回こなしていたという。偉大な先輩の背中はまだまだ遠いが「続けていけば効果がある。頑張りたい」と、前田。日本女子の救世主となるべく、鍛錬に励む覚悟だ。

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