高瀬、男子200m歴代2位の20秒14
「陸上・東日本実業団選手権」(17日、熊谷スポーツ文化公園陸上競技場)
男子200メートルで高瀬慧(26)=富士通=が追い風1・0メートルの条件下、日本歴代2位となる20秒14の大会新記録で優勝した。日本陸連が定める世界選手権(8月・北京)の派遣設定記録を突破し、出場に大きく前進した。2位の藤光謙司(29)=ゼンリン=も世界選手権の参加標準記録を上回る20秒35をマークした。
右脚を引きずりながら表彰台に上がる痛々しい姿が激闘を物語っていた。高瀬が世界選手権の派遣設定記録を大きく上回る日本歴代2位の20秒14をマーク。「思ったよりもタイムが出た。今までにない走りができました」。自己ベストを0秒2更新し、会心の笑みを浮かべた。
発想の転換が今季世界ランク1位タイの走りにつながった。「これまではレーンの真ん中を走っていたが4日前に(佐久間)コーチに言われて、もっと内寄りを走るようにした」と明かした。レーン内側の白線から20センチのところにマーカーを置き、それを踏んで走る練習を繰り返して感覚をつかんだ。
今月10日には100メートルの参加標準を切る10秒09を記録しており、世界選手権でのダブル代表も視野に入ってきた。「故障で世界リレーに出られなかったモヤモヤを晴らすことができた。世界選手権では自分が引っ張る存在になりたい」。その口ぶりにはエースの自覚がみなぎっていた。