「全仏オープン」（２４日、パリ）

　男子シングルスで、世界ランキング５位の錦織圭（２５）＝日清食品＝はポールアンリ・マチュー（フランス）を破り、２年ぶりに１回戦を突破。「第２セットが取れたことが大きかった」と振り返った。

　第１セットを錦織が６－３で取った後、地元フランスの声援がマチューを奮起させた。「彼は第２セットに入ると良くなった。特にバックハンドを使っていいボールを打ってきた」と錦織。過去には世界ランク１２位に君臨したベテランは、流れを変えようと、バックハンドからラインギリギリを狙うなど、リスク覚悟で勝負を仕掛けてきた。

　第５ゲームをブレークされて２－３。だが錦織は「このまま続くとは思わなかった」と冷静だった。第６ゲームでブレークバックし、続く第７ゲームは、しぶとく攻め続けてキープ。そして、６－５で迎えた第１２ゲームもブレークし、第２セットを取った。

　観客席からは大ブーイングを浴びたが、「聞かないように努めた。フランスのファンはいつもこうだからね。まったく気にしていない」と涼しい顔。流れを引き寄せると、第３セットを難なく６－１で収め、２時間９分で初戦を終えた。