やり投げ新井、最後に大会新で連覇
「陸上・日本選手権」(28日、デンカビッグスワンスタジアム)
男子やり投げで新井涼平(24)=スズキ浜松AC=が、84メートル13の大会新記録で2連覇し、世界選手権(8月・中国、北京)代表に内定した。
意地のビッグスローが曇り空を貫いた。最終6投目、新井は投げた瞬間に跳び上がって万歳した。グングンと伸びたやりは大会新の赤いラインを越え、芝に突き刺さった。
小雨の降る悪条件で、低調な記録が続出した停滞感を最後の最後で振り払い、連覇を達成。「優勝して世界選手権に出たかったので良かった」と、ホッとしたように笑った。
昨年10月に日本歴代2位の86メートル83を投げ、一躍注目の存在となった。今季は腰痛や冬の南アフリカ遠征での食あたりが響き、出遅れていたが、ようやく復活。26年間破られていない溝口和洋の日本記録(87メートル60)、そして日本人初の90メートルスローを期待される24歳は、世界選手権に向け「日本記録を投げて上位で入賞したい」と、力こぶを作った。