錦織、激闘で初戦突破「ほっとした」
「ウィンブルドンテニス」(29日、ウィンブルドン)
男子第5シードで世界ランク5位の錦織圭(25)=日清食品=は、世界55位のシモーネ・ボレリ(29)=イタリア=をフルセットの末に下し、4年連続で初戦を突破した。ただ試合中、大会前に痛めた左ふくらはぎの治療も受け、2回戦へ不安が残る形になった。2回戦は、世界60位のサンティアゴ・ヒラルド(27)=コロンビア=と対戦する。過去の対戦は錦織の6戦1敗。
アップダウンを繰り返した3時間22分の激闘を終えると、錦織は天を見上げて拳を突き上げた。ボレリとは昨年の3回戦で日没順延に休養日を挟んで3日がかりとなった因縁があった。その相手をまたもフルセットの末に撃破。「ほっとした気持ちが一番。1回戦にしては最高にタフな相手に勝ててよかった」と胸をなで下ろした。
大会前に痛めた左ふくらはぎにはテープを巻いていた。万全でない状態でも滑り出しは上々。不安を感じさせないフットワークで第1セットは3-3の第7ゲームで「前に出て素早いタイミングで打つバックハンドが決まった」とブレークに成功した。しかしタイブレークに持ち込まれた第2セットを「最も悔やまれる」と集中力を欠いて落とすと、雲行きが怪しくなった。
先行しながら追い付かれる展開で迎えた最終セットは第2ゲームで相手の強打を拾ってブレーク。3-0とリードを広げると、治療のタイムアウトを取ってテープを巻き直した。その後は動きが鈍くなったが「ほぼ完璧だった」と自賛した自身のサービスゲームに集中して逃げ切った。
ウィンブルドンでは4回戦進出が最高。四大大会で唯一、8強入りした経験がなく「まだ新米という感じ」という。脚の不安を抱えつつ、テニスの聖地を舞台とした厳しい戦いが始まった。