豪栄道、全勝だった照ノ富士をゴロリ

 「大相撲名古屋場所・7日目」(18日、愛知県体育館)

 大関同士の対決は、豪栄道(29)=境川=が照ノ富士(23)=伊勢ヶ浜=を切り返しで倒し、全勝の新大関に土をつけた。豪栄道は4勝3敗。白鵬(30)=宮城野=は勢(28)=伊勢ノ海=を、鶴竜(29)=井筒=は魁聖(28)=友綱=をそれぞれ寄り切り、全勝は両横綱だけとなった。平幕で唯一の勝ちっ放しだった鏡桜(27)=鏡山=は、遠藤(24)=追手風=の下手投げに屈した。大関・稀勢の里(29)=田子ノ浦=は碧山(29)=春日野=に押し出されて2敗目。かど番の大関・琴奨菊(31)=佐渡ヶ嶽=も高安(25)=田子ノ浦=の注文相撲にはまって4敗目を喫した。

 これが勝負の世界の厳しさだ。豪栄道が、鮮やかな右からの切り返しで照ノ富士を土俵に横転させて快勝。全勝だった新大関に意地と執念を思う存分見せつけた。

 立ち合いで鋭く突っ込んで右を差すと、左前みつもつかんで万全の体勢。腕をきめられないように、前に圧力をかけ続けた。最後は相手が左上手をつかんで振ろうとした瞬間、右足で外掛けにいき、バランスを崩した照ノ富士を裏返した。

 大歓声を浴びて花道を引き揚げ、「どうなっても、一気に出て早い相撲を取ろうと思っていた。相手が投げにきた時に膝を使うのは、いつもやっているから」と落ち着いた表情で振り返った。夏場所12日目の白鵬戦で左肩を剥離(はくり)骨折した。場所前の稽古は十分ではないものの、先輩大関として絶対に負けるわけにはいかなかった。

 昨年の名古屋場所の初対戦から3連勝したが、今年に入って2連敗。春場所千秋楽では、右腕をきめられて小手投げを食らい、右肩を負傷した。屈辱を晴らす会心の勝利に「期待に応えられて良かった。でも、まだ(場所が)あるから」と表情を引き締めた。この白星を契機に反転攻勢を仕掛けていく。

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