飛び込み・寺内5度目五輪切符
「水泳・世界選手権」(30日、ロシア・カザニ)
飛び込みの男子3メートル板飛び込み準決勝で寺内健(34)=ミキハウス=が463・25点の10位で12人による決勝へ進んで来年のリオデジャネイロ五輪出場枠を獲得し、日本水連の選考基準を満たして代表に決まった。寺内は2大会ぶり5度目の出場となり、夏季五輪の日本勢では最多に並んだ。
5度目の五輪出場が決まると、寺内は長年教わってきた馬淵コーチと熱い抱擁を交わした。34歳のベテランらしい落ち着きで、ぎりぎりの争いを勝ち抜いた。12人が突破できる準決勝で10位。臀部(でんぶ)の痛みにも耐え「ここ数年で一番粘り強かった」と自賛した。
2008年北京五輪後に一度引退。11年に復帰したが、翌年のロンドン五輪出場を逃した。その悔しさを胸に精進し「4年前が無駄じゃなかった」としみじみ話した。
以前は「自分が成績を取ることで飛び込み界が変わると思いながら何かを背負って戦っていた」というが、今は違う。焦らず、気負わず、大一番でいぶし銀の輝きを放った。