愛か美誠か…リオ五輪へ“女の戦い”
リオデジャネイロ五輪開幕まで5日であと1年となった。今後、日本の各競技で代表や出場権を懸けた争いが本格化する。卓球女子では、現在世界ランク5位の石川佳純(22)=全農=を筆頭に、同9位・福原愛(26)=ANA、同10位・伊藤美誠(14)=スターツ=らの2つのシングルス代表をめぐる『女の戦い』が佳境を迎える。
第一人者のプライドか、新鋭の勢いか-。9月発表の世界ランク上位2名がシングルス代表に決まるが、上位3人がハイレベルな争いを繰り広げている。
今年の卓球界の台風の目は間違いなく14歳の伊藤だ。3月のドイツオープンで史上最年少優勝。ギネス記録にも認定された。1年前、50位だった世界ランクは最高9位まで急上昇し、五輪代表の有力候補に躍り出た。
盟友の平野美と生観戦した12年ロンドン五輪で感動し、「次は自分の番」と憧れを原動力に急成長を遂げている。7月からは中国人の男子選手に、相手の肩がぶっ壊れるほどの猛練習を敢行。現在、日本女子では3番手だが、逆転でのシングルス代表入りを狙う。
伊藤の猛追で元祖天才少女の闘志にも火がついた。現在2番手の福原は、未発表ながら5月末にポイントで伊藤に抜かれた。しかし直後の6月、オーストラリアオープンで2年ぶりに優勝。7月の韓国オープンでは決勝で伊藤と直接対決し、4-0と圧倒した。
「美誠はロケットに乗ってるくらい成長している」と認めるが、下克上は許さない。女子代表の村上監督は「美誠に一瞬抜かれて、相当気合が入ったと思う」と、第一人者の勝負強さを称賛した。
「五輪への気持ちは毎回大きくなっている」と福原。「昔から出させてもらっている経験が武器になる」と、泣き虫だった幼少期から卓球界をけん引してきた歴史を背負い、4度目の五輪を目指す。
現在トップの石川も気を抜けず、また平野美らにも3番手での団体要員のチャンスがあるだけに、最後まで目が離せない。