MSH医療専門学校“二刀流”女子戦士

 MSH医療専門学校の女子ソフトボール部が、9月19日に岩手県で開幕する全日本総合女子ソフトボール選手権大会に初出場する。女子硬式野球部と兼務する乙女たちは、8月上旬に松山市で行われた全日本女子硬式野球選手権大会では8強入りと好成績を収めた。“二刀流”の女子戦士は、東北の地でも暴れる。

 真夏の太陽を浴びながら、グラウンドを駆け回る。MSH医療専門学校の女子ソフトボール部と硬式野球部に所属する17人は、日によって硬式、ソフトボールを使い分け練習に励んでいる。

 創部7年目で初めて全日本総合女子ソフトボール選手権大会に出場する女子ソフトボール部。杉田利春監督は「いい素材の選手が入ってきましてね」と目を細めた。「人数的に協力しないといけないですが、野球とうまくミックスした」と、2年前から活動する女子硬式野球部の指導者と協力しながら、チーム強化にあたった。

 投手は専門性があるため試合に出場しないが、球拾いなどで協力してきた。数少ない広島出身者でソフトボール部のエース赤石朱里さん(2年=鈴峯女子高卒)は「選手権でまず1勝したい」と意気込む。野球の試合では「サポートをしています」と、裏方として活躍する。

 ソフトで二塁手、野球では捕手を務める溝田菜奈主将(2年)は「それぞれおもしろさが違う。ソフトボールも皮なんで球質は似ている。ちょっと大きくなるくらいかな。1年したら慣れました」と戸惑いはない。

 女子硬式野球部の野々村聡子監督は、福山誠之館でソフトボール部に所属。奈良教育大で硬式野球に転向し女子プロ野球・兵庫の選手として活躍した。「ソフトの選手は長い塁間でやっていると走れるようになった。野球の子は重いボールを打つことでパンチ力が付く。(融合の)難しさを考えるよりいいことを見つけてやっている」。全日本女子硬式野球選手権大会で8強入り。ソフトボールの試合ではコーチとしてベンチ入りしている。

 「昔の血が騒いで、厳しくしてしまう」と苦笑いをするのは、女子硬式野球部の桑原秀範総監督だ。広島商、堀越の監督として春夏合わせ9度の甲子園出場を誇る名将は「おもしろいですよ」と、熱いハートで乙女たちを指導する。

 来年はソフトボール、硬式野球ともに単独チームをつくる可能性もある。しかし、溝田主将は「どちらも出ろと、何人か言われるんじゃないですか」と笑った。“二刀流”で培った力をまずは東北の地で発揮する。

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