ボルト連覇!今季自己最高9秒79

 「陸上世界選手権・男子100メートル決勝」(23日、北京)

 男子の100メートル決勝が行われ、世界記録保持者のウサイン・ボルト(29)=ジャマイカ=が向かい風0・5メートルの条件下、9秒79で2大会連続3度目の優勝を果たした。ジャスティン・ガトリン(33)=米国=は9秒80で2位。ボルトは男子のカール・ルイスとマイケル・ジョンソン、女子のアリソン・フェリックス(以上米国)を抜き、大会単独最多となる通算9個目の金メダル獲得となった。

 196センチ、86キロの大きな体でライバルを蹴散らした。ボルトが、絶好調のガトリンとの競り合いを制し、今季自己最高の9秒79で2連覇を成し遂げた。

 スタジアムが興奮と熱狂に包まれる中、レース後にはジャマイカ国旗を手に場内を1周。少し控えめながら、得意の弓を引くポーズを決めて大歓声を浴びた。王座を守った安ど感を全身で現し、柔和な笑みをふりまいた。

 「調子は万全ではない。ただ僕の目標は引退するまで1番であり続けること。衰えたという人がいるかもしれないが、まだまだ速く走れる」。一語ずつ、言葉をかみ締めるように語った。左脚の故障で出遅れながら「問題ない」と臨んだ大舞台で世界最強をあらためて証明した。

 春先は続けてレースを欠場。限界説もささやかれ「状態が上向かず、焦りがあった」と明かす。それでも7月に9秒87を出して復調をアピール。「今はベストの状態に戻せている」との手応えを得て決勝に進み、この種目では五輪、世界選手権を通じて5個目のタイトルを獲得した。

 課題だったスタートでスムーズに飛び出した。徐々に体を起こしながらスピードに乗った。最後はガトリンの走りに目をやりながら歯を食いしばり、必死の形相でゴールを駆け抜けた。

 今回と同じスタジアムで行われた7年前の北京五輪では100メートル、200メートル、400メートルリレーとも世界新記録を樹立し、一躍スーパースターとなった。競技生活の原点となったトラックで、また輝きを放った。

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