16歳サニブラウン準決進出 いざボルト超え

 「陸上世界選手権・男子200メートル」(25日、北京)

 男子200メートル予選に大会史上最年少となる16歳172日で出場したサニブラウン・ハキーム(城西高2年)は、20秒35でジャスティン・ガトリン(米国)に続く4組2位で準決勝に進出した。1組の藤光謙司(29)=ゼンリン=は20秒28の2位で、2組の高瀬慧(26)=富士通=は20秒33の4位ながらタイム上位で、日本選手3人全員が準決勝進出を決めた。3組のウサイン・ボルト(29)=ジャマイカ=は流しながら20秒28の1位で進出。準決勝は26日に行われる。

 最年少ランナーでも、今大会100メートル銀メダリストのガトリンと同組でも、物おじせず食らい付いた。サニブラウンは、100メートルのコーナーを2番手で通過すると、その位置を維持しながらゴール直前に必死の前傾姿勢でフィニッシュ。大会史上最年少で準決勝進出を決め、またひとつ、歴史を塗り替えた。

 20秒19で同組1位のガトリンとは0秒16差。「(2着は)ちょっと正直びっくり。20秒35のタイムはいい走りだと思うけど、もっと出るかなという気はします」。日本勢で初めて優勝した世界ユース(17歳以下)選手権の自己ベストに大舞台で0秒01まで迫った。

 それでも、まだ満足はしない。ガトリンと同組での予選も「緊張?別に。最初スタートリストを見た時は『えーっ』と思ったけれど、一緒に走れるのはいい経験」と前向きに捉えられる強さがある。

 ハートの強さも相当なものだ。宿舎では短距離代表最年長で男子主将の藤光と同部屋。「普通の16歳なら先輩と一緒についていく感じなんですけど、本当に堂々と先頭を歩く。夜も僕眠いんで先に寝ますみたいな感じで。僕が16歳の時に比べると、肝が据わっている」。13歳年上の先輩が舌を巻くほど自然体を貫ける度胸がある。

 次は26日の準決勝だ。この壁をクリアすれば、世界選手権200メートルで3連覇中のボルト(ジャマイカ)が持つ大会史上最年少ファイナリスト記録(18歳355日)を更新する。

 「予選を見直して修正できるところは修正して、ベストのパフォーマンスができるようにやりたい」。すでに世界ユースではボルトが持っていた200メートルの大会記録を更新。今度は世界選手権で「ボルト超え」に挑む。

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