鈴木亜由子決めた!初出場で決勝進出
「陸上世界選手権・女子5000メートル」(27日、北京)
初めて出場した2組の鈴木亜由子(23)=日本郵政グループ=が15分28秒18、2大会連続出場で1組の尾西美咲(30)=積水化学=も15分33秒84で、ともに6着に入り、30日の決勝に進んだ。初出場の鷲見梓沙(すみ・あずさ、19)=ユニバーサルエンターテインメント=は16分13秒65の2組11着で予選敗退した。
初出場でも鈴木は強気に前へ出た。スタートから飛び出した同組の鷲見をすぐに追いかけ、800メートル手前でトップに立つ積極的なレース。3000メートル以降も先頭集団に3、4番手で食らい付く。最後の直線で2人に抜かれ5着までの自動進出は逃したが、6着以下のタイム1位で決勝に進んだ。
「悔いの残らないレースをしようと思って積極的に行った。途中のペースアップで思ったよりも脚にきていて。後半の最後に落ちてしまったのは悔しい。もう少しだったかな」。着順で決められず、少しだけ苦笑いになった。
名大経済学部出身で、卒論は「女性の社会進出と経済効果について」。これだけだとお堅いイメージを浮かべるが、「好きだった教科?体育です」と答えるちゃめっ気がある。だから創業100年近くの老舗米穀店を営む実家(愛知県豊橋市)周辺でも人気者。祖母の佳美さん(80)は「年末は年越し用の餅づくりで大変なんですが、中学から大学を卒業するまで自転車で配送を手伝ってくれました。亜由子が届けるとみんな喜んでくれますから。ありがたいことです」とトラック外でも活躍してきた孫に思い出を重ねる。
「決勝では自己ベスト(15分14秒96)を更新したい」。予選とは違う餅のような粘りの走法で自己新、そして日本人最上位での入賞なら来年のリオ五輪も見えてくる。