日本男子が2連覇を達成 王座守る
「世界柔道選手権」(30日、アスタナ)
日本男子が決勝で韓国に3-2で競り勝ち、2連覇を達成した。日本女子は決勝でポーランドを5-0で下し、2年ぶりの優勝を遂げた。世界選手権で個人、団体の同時開催が定着した2011年以降、日本の男女がそろって優勝するのは初。
男子は決勝で2-2からの大将戦で王子谷剛志(旭化成)が金成民に優勢勝ちした。昨年3位の女子は52キロ級金メダルの中村美里(三井住友海上)、63キロ級3位の田代未来(コマツ)らが活躍。初戦から4試合全て5-0の圧勝だった。
日本男子が王座を守った。韓国との決勝は中矢力(ALSOK)らが落として2-2に。命運を託されたのは団体戦要員で100キロ超級の王子谷。少年時代から大将戦は経験豊富で「昔からこういう状況を与えてもらっているので動揺はなかった」と頼もしかった。
実力者の金成民に得意の大外刈りを何度も仕掛け、指導1の差で逃げ切ると、汗だくの体を井上監督に強く抱かれた。「個人戦に出られない悔しさをぶつけた」と王子谷。66キロ級で4連覇を逃した海老沼も2戦2勝と働き「やり残したことを団体でやろうと思った。来年はもっともっと強くなる」と話した。
日本柔道が史上初めて金メダルゼロと惨敗したロンドン五輪。重量級コーチだった井上監督は「あの時の屈辱は一生忘れない」と言う。だからこそ、威信回復を目指すリオデジャネイロ五輪には「自分の全てを懸ける」と並々ならない覚悟を示す。残り1年を切った大勝負への助走は、各階級の底上げを感じさせて幕を閉じた。