桐生、3カ月半ぶり復帰戦で活躍誓う

 「陸上・日本学生対校選手権」(11日開幕・長居陸上競技場)

 陸上男子100メートルで日本歴代2位の10秒01の記録を持つ桐生祥秀(19)=東洋大=が10日、右太もも裏の故障からの復帰戦となる日本学生対校選手権を前に会見し、16年リオデジャネイロ五輪に向けて逆襲を誓った。自身の故障中に、ガーナ人の父を持つサニブラウン・アブデル・ハキーム(16)=城西大城西高=が台頭。将来的な対決にも意欲を見せ、「勝ちます」と宣言した。

 日本の短距離界を引っ張ってきた自分だという意地とプライドがある。故障中に世界ユース2冠、世界選手権200メートルでの準決勝進出と話題をさらった3学年下のサニブラウンについて聞かれた時だった。桐生は「一緒に走って勝ちたい」と話した後、言い直して「勝ちます」とニヤリ。早ければ来春にも実現する“怪物”対決に自信をみなぎらせた。

 今年3月のテキサスリレー100メートルで追い風参考(3・3メートル)記録ながら9秒87をマークし、日本人初の公認9秒台は目前と思われた桐生だったが、5月末に右太もも裏肉離れを発症し、6月の日本選手権を欠場。世界選手権はテレビ観戦となった。同学年のブロメル(米国)が銅メダルを獲得し、中国選手が決勝に進出、そしてサニブラウンの台頭。「なんで自分はここにいるんだ」。そんな悔しさを糧にして、リハビリを積んできた。

 3カ月半ぶりの実戦。最終的な出否はレース直前に決定するが、土江コーチは「出る準備はしてきた。(練習の)ボリュームは詰めてる」と、説明した。

 桐生自身も走る気は満々。「楽しんで走って優勝を狙いたい。また、この記者さんたちが2~3倍になるぐらい活躍したい」。日本陸上界の主役の座を取り戻す戦いが始まる。

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