赤井Jr.デビュー2連勝で全日本切符
「全日本アマチュアボクシング選手権・関西ブロック選考会」(13日、関大)
タレントで元プロボクサー・赤井英和(56)の長男・英五郎(20)がデビュー2連勝を飾り、全日本選手権(11月18~22日、岩手)の出場切符を獲得した。前日の初陣勝利に続き、大学2年時に国体8強の実績がある入江遼太(23)を判定3-0で撃破。ミドル級(75キロ以下)で関西ブロック代表を決めた。“浪速のロッキー2世”が20年東京へ満点スタートを切った。
パンチをもらって闘争心に火が付いた。2回だ。被弾した英五郎はすぐさま反撃に出る。猛進すると左右フックを10連発。攻撃力はさすが血筋だった。
「きょうは少し新しい自分を見つけてみよう」と、前日より接近戦で勝負。空振りもあり、技術力は国体8強に及ばない。それでも米国のアメフットでは2メートルを超す大男のタックルを食らってきた。パワーとハートでは負けない。3者とも29-28の僅差判定ながらデビュー2連勝をもぎ取った。
ボクシングを始めて1年半。「何を持って勝ったかは僕には分からない。誰が見ても彼が勝ったと思われるようにならないと」と話す“素人”が全日本選手権の関西代表となる快挙を果たした。父も立った国内アマ最高峰の舞台に「運命的、光栄」と喜んだ。「超えたい」と言う父の背中に一歩近づいた。
父子の目標となる20年東京五輪へ向け順調にスタート。「(力が)足りなくて悔しいとか感情が湧いている。僕の中で快感を得ている。まだ2人しかボクサーを知らない。もっと勉強して一歩ずつ前に行けば目標も定まる」。2試合を経験し、ボクシングにかける腹は固まった。
「(全日本選手権まで)あと2カ月、全部のレベルを上げる」。“浪速のロッキー2世”は端正なマスクを引き締めた。