照7連勝 白鵬不在場所で“横綱相撲”
「大相撲秋場所・7日目」(19日、両国国技館)
大関照ノ富士が平幕の佐田の富士の粘りにややてこずりながらも、最後は万全の体勢で寄り切って7連勝。単独トップを守るとともにストレート勝ち越しへ王手をかけた。横綱鶴竜、大関稀勢の里、さらに平幕の勢、蒼国来の4人が1敗で追う。豪栄道は隠岐の海に寄り倒されて黒星先行の4敗目を喫した。
白鵬不在場所で際立つ照ノ富士の安定感だ。過去1度の対戦だった佐田の富士だが「普通に当たろうと思った」と余計な策は必要ない。組み止めて左を差した。相手の攻め手をすべてしのぐと、一枚回しを引き付けて最後は怪力で寄り切った。
「考えてたより力があって重かったけど慌てることはなかった」と余裕の表情。全く危なげなく、ただ1人の全勝をキープした。
初日から7連勝は今年の春場所以来。8日目に自身初となるストレート給金が懸かるが、「関係ない」と自信をみなぎらせた。
持ち前のパワーに技術も備わってきた。北の湖理事長(元横綱)は「左を一枚取っていたのが大きい。あれで相手の上手が全部切れた」と評した。そして「1差か2差かで照ノ富士の精神は変わってくる。落とさずについていくしかない」と、横綱鶴竜、大関稀勢の里ら1敗力士の追撃にハッパをかけた。
関脇を2場所で突破し、大関となって2場所目。2度目の優勝なら来場所に横綱とりとなる。「一番一番、力を出すこと」。23歳にはや横綱の風格が漂いつつある。