錦織、チョリッチに逆転V 貫禄見せた

 「テニス・楽天ジャパン・オープン・1回戦」(5日、東京有明テニスの森公園)

 昨年覇者で世界ランク6位の第2シード・錦織圭(25)=日清食品=は、同38位で18歳の新鋭、ボルナ・チョリッチ(クロアチア)に逆転勝ちを収め、2回戦(7日)に進んだ。第1セットを2-6で落としたが全く動じることなく、第2セットから6-1、6-2と連取。世界トップクラスの貫禄を示した。

 終わってみれば“グリーンボーイ”に世界トップ10の貫禄を見せつける試合だった。連覇を狙う錦織は、初戦の第1セットを落とし、一瞬はファンをヒヤリとさせた。それでも「2セット目からは自分のテニスを取り戻せて、いい1回戦だった。デキに満足している」と余裕も漂わせた。

 第1セットはマリー、ナダルを破ったこともあるチョリッチの粘り強いストロークに苦しめられた。「守備がすごくいいので攻めきれず、焦りでミスが出てしまった」。いきなり4連続でゲームを落とし、先取を許した。

 しかし、そこからは経験の差を見せつけた。「1セット目を忘れて自分のペースにできた」と別人のように落ち着き、巧みなサーブで崩しながら、粘り強くラリー戦を展開。第2セットに2つブレークを決めて完全に流れをつかむと、最終セットも相手のミスを誘って試合を決めた。

 好プレーを見せながら敗れたチョリッチは「序盤は良すぎたけど、2セット目からは集中力を欠いて、ニシコリもピッチを上げてきた。ラリーは互角にやり合えたが、経験値の差が出たと思う」と潔く認め、頭をかいた。

 錦織にとっては1回戦負けを喫した全米オープン以来、個人戦では再起を懸ける大会だ。2回戦の相手はクエリー(米国)に決まった「フォアとサーブが強烈なのでしっかり準備したい」。伸び盛りの新鋭をたたいた勢いで、大会3度目の頂点まで駆け上がる。

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