錦織悪夢再び 全米で苦杯ペアに連敗
「男子テニス・楽天ジャパンオープン・準決勝」(10日、有明テニスの森公園)
シングルス準決勝が行われ、世界ランク6位で第2シードの錦織圭(25)=日清食品=は、8月の全米オープン1回戦で敗れている同32位のブノワ・ペア(26)=フランス=と対戦。第1セットを6-1で先取したが、その後は4-6、2-6で逆転負けし、大会連覇を逃した。11日の決勝は、ペアとスタン・バブリンカ(30)=スイス=が対戦する。
まさかの1回戦敗退に終わった全米オープンの悪夢がよみがえった。曇り空の有明で、錦織が格下のペアに再び逆転負け。連覇の夢がついえ、1万2294人が詰めかけた会場はため息に包まれた。
第1セットこそ6-1と圧倒したものの「このままでは終わらないだろうな」という悪い予感は的中。第2セットからペアは別人のように強烈なサーブを放ち、バックショット、スライス、ドロップなども自在に操った。
勝敗の分岐点となったのは第2セット、3-3で迎えた第7ゲーム。錦織はジュースから5回、ブレークポイントまで追い詰めたが、あと1点を決めきれず、「決めていれば展開は違っていた」。以降は完全に風向きが変わり、最終セットは面白いようにショットを決められ、2度のブレークも喫した。同じ相手に連敗し、「全米の時よりはいいテニスができたが、第2セットから相手のレベルが上がったのが一番の敗因」と脱帽した。
連覇は逃したが、落ち込んでいる暇はない。「今大会でテニス自体は良くなってきてるし、モチベーションは上がっている。上海、バーゼル、パリと試合が続くのでいいプレーを続けたい」。年間成績上位8人が出場できる11月のATPツアー・ファイナル(ロンドン)を目指し、ラストスパートを懸ける。