世界最高峰リーグ「スーパーラグビー」のレッズ（オーストラリア）に加入する日本代表ＦＢ五郎丸歩（２９）＝ヤマハ発動機＝が５日、浜松市内で会見した。Ｗ杯イングランド大会でベストフィフティーンにも選ばれた日本のエースは、新たなチャンレジへ「失うものは何もない。もう一度、ゼロからスタートできる挑戦に大きな魅力を感じている」と意気込みを語った。

　不退転の決意だった。海外志向のなかった五郎丸にとって、レッズからのオファーは大きく心を揺さぶられた。Ｗ杯１次リーグ最終戦の米国戦（１０月１１日）後、日本代表のエディー・ジョーンズ前ヘッドコーチからオファーの話を聞いた。家族らと相談した上で１０月中旬に代理人と交渉を行い、今月初旬に契約書にサインした。

　ヤマハ発動機に在籍したままでの挑戦に「会社に理解をいただいて、気持ち良く送り出してもらった。もし、送り出してもらえなくても、レッズに行くという強い気持ちだった」と、退社も覚悟した上での決断だったと明かした。トップリーグ（１３日開幕）が来年１月に終了。２月から家族とともに移り、合流する予定だ。

　日本代表を軸に編成される「サンウルブズ」に加入する選択肢もあった。しかし「家族も一緒に行けるし、子どもたちにもいい経験になる」と、家族と過ごす時間を重視。さらに、高校日本代表として初めて海外遠征で訪れたブリスベンを本拠地とすることも決め手になった。

　来年５月２１日にはブリスベンでサンウルブズと対戦する。「非常にやりづらいと思う」と苦笑いした。ヤマハのカラー「サックスブルー」から、「情熱のイメージ」というレッズの赤いジャージーへ。世界の“ゴロウマル”が大きく羽ばたく。