7人制ラグビー・日本がリオ五輪決めた
「ラグビー7人制・リオ五輪アジア予選・決勝、香港10-24日本」(8日、香港)
男子の日本は決勝で香港に24-10で勝ち、初めて実施されるリオデジャネイロ五輪の出場権を獲得した。団体球技では、日本男子で初めての五輪出場権獲得。28、29日に行われる東京大会との総合成績で決まる女子の日本も、決勝でカザフスタンを22-0で破り優勝。アベックでの五輪出場に大きく前進した。
カクテル光線を浴びて、最高の笑顔が輝いた。チームを引っ張ってきた桑水流(くわずる)主将のもとへ、前主将のBK坂井が飛びついて喜び合った。リオからの新種目で、日本男子が五輪切符を獲得した。
厳しい戦いだった。1次リーグから準決勝まで5試合連続で完封勝ちしたが、決勝では地元香港に前半は0-10。桑水流は「香港への大声援にのまれて、一人一人が自分で何とかしようと強引になってしまった」と振り返った。
後半、日本は別人のように流麗なアタックで試合をひっくり返した。2分、自陣からのアタックで後藤輝が初トライを返した。5分にはPKから速攻でレメキがゴールポスト真下に同点トライ。坂井のゴールで逆転すると、7分にはトゥキリのバックパスを好捕した合谷が右隅にトライを決めた。8分にはタックルで相手ボールを奪った坂井がとどめの一撃。4連続トライで勝負を決めた。
15人制に比べ、7人制は日の当たらない存在だった。選手の招集も15人制が優先され、拠出を渋るチームもある。酒井は「五輪に出て7人制への見方を変えたい」との意地があったと強調する。悪条件を乗り越え、日本の看板を背負って世界各地を転戦してきた7人制の代表たちには強い連帯感があった。
「決勝の苦しい場面でも、ずっと一緒にやってきた仲間だから、同じ絵が見えていた」と桑水流主将。今年に入って重ねた合宿は160日間に及ぶ。15人制がW杯で南アフリカを破ったことで「俺たちも」という意地もあってつかんだ五輪切符だ。次のステージは来年8月。リオデジャネイロで桜を咲かせてみせる。