ドーピング違反の過去乗り越え吉田2位
「さいたま国際マラソン」(15日、さいたまスーパーアリーナ発着=42・195キロ)
16年リオデジャネイロ五輪の選考会を兼ねて行われ、吉田香織(34)=ランナーズパルス=が2時間28分43秒で日本人トップの2位に入ったが、低調なタイムとレース内容で五輪代表入りは極めて厳しくなった。前日本記録保持者の渋井陽子(36)=三井住友海上=が日本人2番手の4位。アツェデ・バイサ(28)=エチオピア=が記念すべき第1回大会を制した。
リオ五輪に向け、“救世主”出現が待たれる日本女子マラソンだが、中身の乏しい選考会となってしまった。
第1回大会で起伏のあるタフなコースとはいえ、日本人トップの吉田のタイムは日本陸連の設定記録(2時間22分30秒)から6分以上遅い。陸連の酒井強化副委員長は「残り10キロで3分差をつけられた。もう少し勝負してほしかった」と、落胆を隠さなかった。
ドーピング違反による2年間の資格停止から今年復帰した吉田自身も、五輪への意欲は薄かった。「選考に上がる可能性は低いと思う。五輪を目指していたわけじゃなかった」と諦めムード。ただ、過去を乗り越え、自己ベストをマークした34歳は「結果を残さないとそういう目で見られると思ったし、発奮材料になった。大満足」と笑顔だった。