福岡出身・松鳳山 自己最速で勝ち越し
「大相撲九州場所・9日目」(16日、福岡国際センター)
4場所ぶりに幕内に戻った西前頭10枚目の松鳳山が、大栄翔を左四つから寄り切って勝ち越した。9日目での給金直しは、幕内では自己最速記録。ご当所場所で連日応援に駆け付ける家族のサポートを受けて、さらに白星を積み重ねる。横綱白鵬は大関豪栄道を破り、ただ一人9連勝で単独トップをキープ。大関琴奨菊は隠岐の海に不覚を喫して2敗に後退した。
松鳳山が早くも勝ち越しを決めた。大栄翔を得意の左四つに組み止めると一度は上手投げで仕留めようとしたが、「相手が予想以上に警戒していた」(松鳳山)ため安全策に切り替えた。がっちり右上手を引き付けて万全の寄り。14年1月に10日目に勝ち越したことはあるが、9日目での勝ち越しは自己最速。「出来すぎですね」と控えめに笑った。
満員の観衆の前で相撲が取れる喜びをかみしめている。3月場所で初日から13連敗を喫するなど、わずか1勝止まり。新入幕から連続21場所保った幕内から陥落。十両でも5月、7月とまさかの2場所連続負け越し。体重も減り、小結を4場所務めた実力者が大スランプに陥った。
このままでは終われない。勝ちに徹する相撲を取ると覚悟を決めた9月の秋場所。13勝2敗で十両優勝、ご当所での幕内復帰を決めた。福岡市内に実家があるあい夫人と長男・志希也(ゆきや)くん(2)が連日、会場に駆け付けて声援を送っている。「あと6日、しっかり気持ちを引き締めていきたい」。幕内では3年ぶりとなる2桁勝利へ突き進む。