表彰台メンバーが示す内村のすごさ
10月に行われた体操世界選手権の男子個人総合で内村航平(26)=コナミスポーツク=が92・332点で、前人未踏の6連覇を達成し、16年リオデジャネイロ五輪代表に内定した。五輪を含めた世界大会では7連覇。日本が世界に誇る“絶対王者”が衰え知らずの力を見せつけた。
過去の世界選手権、五輪の成績を並べてみると、改めて内村の“異次元”ぶりが分かる。世界大会7連覇中の上位3人の成績は次のとおり。
◆09年ロンドン世界選手権
(1)内村航平 91・500点
(2)キールスティング(英国) 88・925点
(3)リャザノフ(ロシア) 88・400点
◆10年ロッテルダム世界選手権
(1)内村航平 92・331点
(2)ボイ(ドイツ) 90・048点
(3)ホートン(米国)
89・864点
◆11年東京世界選手権
(1)内村航平 93・631点
(2)ボイ(ドイツ) 90・530点
(3)山室光史 90・255点
◆12年ロンドン五輪
(1)内村航平 92・690点
(2)ニュエン(ドイツ) 91・031点
(3)レイバ(米国) 90・698点
◆13年アントワープ世界選手権
(1)内村航平 91・990点
(2)加藤凌平 90・032点
(3)ハンビューヘン(ドイツ) 89・332点
◆14年南寧世界選手権
(1)内村航平 91・965点
(2)ウィットロック(英国) 90・473点
(3)田中佑典 90・449点
◆15年グラスゴー世界選手権
(1)内村航平 92・332点
(2)ラルドゥエト(キューバ) 90・698点
(3)デン・シューディー(中国) 90・099点
2位との差は常に1点以上。10、11年に2位に入ったボイ(ドイツ)を除けば、表彰台の選手は毎年入れ替わっているにも関わらず、各国の新鋭の台頭を退け、内村だけが頂点に君臨し続けている。技が高度化し、怪我やアクシデントのリスクも高まっている中、毎年大一番に合わせてくる調整能力、そしてどんな状況でもしっかりと力を出し切る驚異のメンタルが、“絶対王者”を“絶対王者”たらしめている。来年に迫ったリオデジャネイロ五輪、そしてその先、内村を超える選手が出てくるのは、果たしていつになるだろうか。
(デイリースポーツ・大上謙吾)