徳島代表つるぎエディー流で花園2勝だ
第95回全国高校ラグビー大会(12月27日~来年1月11日、大阪・花園ラグビー場)に、つるぎ(徳島)が3年ぶり24度目の出場を決めている。昨年春に貞光工と美馬商が統合。「つるぎ」の新校名では初の花園挑戦となる。W杯で大活躍したエディー・ジャパン流の練習メニューを取り入れ走力を強化。チームの目標は、貞光工時代の1970年度大会でマークして以来、徳島県勢45年ぶりとなる「2勝」だ。
「つるぎ」の名を全国にアピールする絶好のチャンスだ。昨年春に貞光工が美馬商と統合。新校名で初の花園に挑む。
チームの自慢は抜群の攻撃力。徳島県大会では準々決勝・城南戦で88点を奪うなど、3試合で計204得点をマークした。就任2年目の藤本哲男監督(54)は「FWの組織力が持ち味。それほど大きくはないが、よく動く」と話す。
強力FW陣を引っ張るのが主将のナンバー8・佐藤羅雲(らも)だ。185センチ、90キロの堂々たる体で、かつてWTBを務めるなど走力にも恵まれる。昨夏にはU-17日本代表に選出され、桜のジャージーを着て国際大会にも出場した。
その佐藤主将は「練習してきたことに自信があった。徹底的に走ってきたから、60分間バテずにやれた」と圧倒的な力で制した県大会を振り返る。
今年4月に出場した全国高校選抜大会が転機となった。予選リーグで流通経大柏に7-85、大阪朝鮮に0-50、黒沢尻北に7-39で完敗。藤本監督は「全国レベルのチームに比べて、走り込みが全然足りないと感じた」と振り返る。
力の差を埋めるため、指揮官が導入したのが「テレビで見た」というW杯日本代表のトレーニング方法だ。
たとえば練習の合間に行うダッシュ。パス練習からタックル練習に移る間など「1つのメニューが終わるごとに、100メートルのフィールドを3往復とか。エディーさんを見習って、とにかく走らせました」。ほかにも30分間走やインターバル走を増量。悔しさをバネに走力とスタミナを鍛え上げてきた。
チームが掲げる目標は「全国2勝」。徳島県勢は花園で5年連続初戦敗退中で、1大会2勝となれば、70年の貞光工までさかのぼる。そんな苦戦続きの徳島県勢にとって、エディー・ジャパンは最高の見本だ。
リーチ・マイケル主将にあこがれる佐藤は言う。「世界で勝てないと言われた日本が、ハードワークで南アを倒した。自分たちもできるはず。全国のチームに勝ちたい」。45年ぶりの大仕事を目指して準備を進めている。