柔道・秋本が連覇 リオ五輪へ望み
「柔道・グランドスラム東京」(4日、東京体育館)
来年のリオデジャネイロ五輪代表選考会の一つとなる大会で、男女計4階級が行われ、男子73キロ級は元世界王者の秋本啓之(29)=了徳寺学園職=が決勝で安昌林(韓国)に優勢勝ちし、2年連続3度目の優勝を飾った。
男子81キロ級は世界王者で永瀬貴規(22)=筑波大=が準決勝の李スンス(韓国)戦で脚取りの反則負け。3連覇を逃したが3位決定戦を制した。
女子70キロ級は22歳の新井千鶴(三井住友海上)が決勝で大野陽子(コマツ)との延長戦を制し、2年ぶり2度目の優勝を果たした。
五輪への望みをつないだ。背負い投げやともえ投げ、さらに粘り強さで勝ち上がり、決勝は背負い投げで「技あり」を奪って優勢勝ち。「結果を出せてよかった。希望の光は小さいが、最後まで追い掛けていく」。男子73キロ級を制した秋本(熊本県宇城市出身)は大きく息をついた。
この階級は今夏の世界選手権決勝で大野将平(旭化成)が、前世界王者でロンドン五輪銀メダルの中矢を破って金メダルを獲得した。大野が腰を痛めて欠場し、中矢は3回戦で敗れる中、来年1月で30歳になる2010年の世界王者が見せた執念。日本男子の井上康生監督も「心を打たれた」とうなった。
10月のパリに続くグランドスラム大会優勝。厳しい立場に変わりはないが「しぶとさは負けない。諦めずに闘う姿を子どもたちに見せたい」。来年1月で30歳になる2010年の世界王者は、家族が見守る会場で宣言した。