バド山口茜“高校ラスト戦”恩師に感謝
「バドミントン全日本総合選手権」(5日、代々木第二体育館)
女子シングルス準決勝が行われ、世界ランク10位で昨年覇者の山口茜(18)=福井・勝山高=は、12年ロンドン五輪代表の佐藤冴香(ヨネックス)に0-2で敗れ、連覇を逃した。
「勝山高校」を背負って戦うラストマッチになった。山口は相手の攻撃に「予想以上に速くて動揺した」と体がついていかず、膝をつき、床にはいつくばった。10月からの7連戦の影響も垣間見え、小林監督は「体が重かった。精神的な疲れも相当たまっている」とおもんばかった。
「故郷・勝山への恩返し」と位置づけた1年の締めくくり。国際大会よりも全国高校選抜、インターハイ、国体を優先して出場してきた。今大会のベンチには、来春入社する再春館製薬所(熊本)の首脳陣が入ることもできたが、勝山高の小林監督が入って後ろから見守った。
同校OBでもある指揮官は「茜が入部してきたときはとにかくプレッシャーだった」と明かす。「地元の高校に残ったせいで成長できなかったらどうしようと思ったけど、それは本人がいちばん強く感じていたこと。3年間しっかり結果を出してくれて、私もいい経験をさせてもらった」。顧問になって12年目。「茜みたいな選手は後にも先にもいない」と、不世出の教え子に目を細めた。
監督であり、数学の先生であり、3年間クラスの担任でもあった恩師。一緒に戦うラストマッチを終えた山口は「これからどこへ行ったとしても勝山で育ったことは変わらない。これからも活躍して元気だと知らせたい」と、照れながら感謝の言葉を送った。
16年リオデジャネイロ五輪の代表争いは来年5月まで続く。勝山で培ったプレーを武器に、大舞台へ羽ばたいていく。