伊調、4大会連続五輪決めた V12
「レスリング・全日本選手権」(22日、代々木第二体育館)
16年リオデジャネイロ五輪代表選考会を兼ねて行われ、女子58キロ級では、五輪3連覇中の伊調馨(31)=ALSOK=が決勝でフォール勝ちし、12度目の優勝を果たした。9月の世界選手権(米ラスベガス)で金メダルを獲得した伊調は五輪出場枠も得ており、試合出場の時点でリオ五輪代表に内定した。女子69キロ級の土性沙羅(21)=至学館大=も旧67キロ級から続く連覇を5に伸ばし、五輪切符を手にした。
世界大会13連覇中の伊調が、4大会連続の五輪出場を正式に決めた。「日本代表として勝たないといけない強い思いがある」。12年ロンドン大会までは63キロ級で3連覇中だが、リオでは58キロ級で頂点を目指す。「今までは体重を増やして臨んでいたけど、次は言い訳もできないので“ガチの戦い”になる」と鼻息を荒くした。
この日、決勝では73秒の圧勝劇。それでも五輪4連覇を狙う求道者には不満が残った。「自分のレスリングは攻めるスタイル。最初にタックルを入られてしまった」。相手をグラウンドでコントロールしながら冷静にフォールを奪ったが、「先に狙っていたので悔しい」と唇をかんだ。
最強と称される女王でもまだまだ向上心は尽きない。「課題は無限にある。完成形はない。できない技もたくさんあるので」と進化の途上という。現在は状況に応じて、がぶりや飛行機投げ、ハイクラッチなどを繰り出す練習を行っている。
女子では前人未到の五輪4連覇に向けて、「31歳でここまでやるとは思っていなかった。レスリングを楽しむことが生きがい。たくさんの人に期待してもらってるので、結果も内容も集大成を見せたい」と気合を入れた。