沙保里ALSOK退社、リオへ新た!
レスリングで16年リオデジャネイロ五輪女子53キロ級代表に決まっている吉田沙保里(33)が24日、所属先のALSOKをことし限りで退社すると発表した。都内のALSOK本社で記者会見し、「いろんなことにチャレンジしたい。新たな気持ちで、五輪4連覇を目指してまた頑張りたい」と説明した。今後の所属は未定で、1月からはフリーになる。
五輪4連覇に向けて、吉田が自ら退路を断った。05年の入社以来、会社の“顔”として活躍していたALSOKを離れることを決断。前日の全日本選手権でリオ五輪出場を正式に決め、この日は同社の特別契約社員としての契約更新日だったが、更新しなかった。
「退社を考えたのはここ最近。リオに向けて新たな気持ちで臨みたい。いろんな舞台でチャレンジをしてみたい」と説明し、「会社には多大なる支援をしていただき、勉強させてもらった」と感謝の言葉を口にした。
同社のCM出演は大きな話題となり、「子供からは『ALSOKのお姉ちゃん、ビーム出して』と言ってもらえる。楽しいことがあるから、レスリングにも集中できた」。一方で芸能分野を含めて活動の幅を広げることも希望しており、「いろんな経験を競技に生かしたい」という思いが理由の一つとなった。
会見に同席した青山幸恭社長は「ALSOKといえば吉田選手というくらい、強さ、スピードという企業イメージ通りの活躍をしてくれた」とねぎらい、レスリング部の大橋正教監督は「寂しいけど応援したい。常に周りを気にかける選手なので、テレビ出演や発言でも会社に悪いイメージがつかないように考えていたのでは」と心境を思いやった。
練習拠点はこれまで同様、母校の愛知・至学館大(旧中京女大)で、「環境は変わらない。五輪4連覇を何としても達成したい」と吉田。心機一転、裸一貫の気持ちで前人未到の大記録に挑む。