立命大あと一歩…残り2分で逆転負け
「アメリカンフットボール・ライスボウル、パナソニック22-19立命大」(3日、東京ドーム)
社会人代表のパナソニックが、学生代表の立命大を破り、8年ぶり4度目の優勝を飾った。前半から劣勢だった立命大だが、粘りを見せて第4QにQB西山雄斗(2年)の54ヤードTDパスで逆転。残り2分を切るまでリードしたが、土壇場で再逆転を喫し、7年ぶりの日本一はならなかった。
立命大が目指し続けた日本一の称号は手中にあった。第4Q、残り4分19秒で逆転に成功。QB西山からWR猪熊星也(3年)への54ヤードのTDパスが通り、パナソニックをついに追い詰めた。
しかし、残り1分31秒、パナソニックにスペシャルプレーを決められ再逆転を許した。それでも点差は3点。自陣19ヤードからの攻撃にもあきらめる選手はいなかった。パスで着実にゲインを重ね、敵陣17ヤードまで進んだが、最後は反則の罰退もあり攻め切れず。入れば同点の望みを掛けた49ヤードのFGも右にそれ、日本一の夢は散った。
春の練習試合で学生相手に2敗したところからスタートした今季。日本一どころか、関西で勝てるのかという不安もあった。しかし「RISE AS ONE」、一つになってはい上がるというスローガンのもと、日本一に手が届くところまで上り詰めた。
主将のDL田辺大介は胸を張る。「春に地獄を見て、でもここまで来られた。守備では全員で集まり、キッキングでも相手のキャッチミスに誰よりも早く反応した。当たり前のことを挑戦者らしくやりきることは、勝っていたと思う」。4年間の歩みに間違いはなかったと信じている。
ただ「勝って、立命のアメリカンフットボール部の取り組みは日本一だと言いたかった。証明したかった」。悔いは残るが、断言する。「やりきった自信はあります」。部員174人を束ねた主将は、目に浮かべた涙を決してこぼさなかった。最後まで熱戦を演じた立命大に、3万人を超す観衆から拍手が送られた。