東海大仰星2点差守りきり雪辱果たす
「全国高校ラグビー・準決勝、東海大仰星24-22東福岡」(7日、花園ラグビー場)
全国選抜大会、全国7人制に続く3冠がかかる東海大仰星(大阪第1)は、前回覇者の東福岡(福岡)を2点差で振り切り、2年ぶり4度目の優勝に王手をかけた。24-22の試合終了間際、自陣での決死の守備で昨年敗れた宿敵に雪辱した。決勝は11日の午後2時から行われる。
両軍、精根尽くしたラストプレーだった。2点差の後半ロスタイム、東海大仰星は自陣で決死の守備。PGすら与えられない崖っぷちでフランカー真野泰地主将(3年)の叫びが選手を勇気づけた。
「ノーペナルティー!」「引いたら負けるぞ、強気に守れ」「応援を見よう、応援が付いている」
相手がミスしモールから飛び出たボール。フランカー山田生真(2年)は夢中で覆いかぶさった。ボールはタッチキックで蹴り出されノーサイド。長い3分間を守り切った選手に歓喜の笛は響いた。
昨季は準々決勝で敗れた宿敵に雪辱し、これで花園での戦績は4勝3敗とリード。鋭い出足の全員守備が東福岡のミスを誘った。
0-3の前半6分、ナンバー8河野大地(3年)が敵陣で相手の落球を奪い、20メートル走って逆転トライ。同9分にも相手の捕球ミスからトライにつなげた。
19-15と迫られた後半15分は、CTB山本悠大(3年)が持ち込み、WTB中孝祐(3年)とつなぐ千金トライで突き放した。
“地獄”に耐えたBK陣の大仕事だった。昨秋の大阪府大会終了後から1カ月間、毎日4時間、徹底してBK陣は守備練習の毎日。タイヤ引き、延々と続くダッシュ。「死ぬかも」が全員の“合言葉”だった。
山本悠は「3年で一番しんどかった。自信は付いた」とこの日、最後まで動いた足を誇った。湯浅大智監督(34)は「素晴らしい試合ができ、幸せに思う」と選手を絶賛。3冠へあと1つ。真野は「やるだけ」と2年ぶりとなる頂点だけを見据えた。