沙羅、圧倒的な強さで3連勝
「ノルディックスキー・W杯ジャンプ女子個人」(17日、宮の森ジャンプ競技場)
高梨沙羅(19)=クラレ=が合計257・8点で3連勝、今季4勝目を挙げて通算34勝とした。1回目に97メートルで首位に立ち、2回目もトップの94メートルで快勝した。昨季の個人総合女王で、1回目に最長不倒の99・5メートルを飛んだダニエラ・イラシュコが2位。伊藤有希(土屋ホーム)は11位、勢藤優花(北海道メディカルスポーツ専門学校)は17位、岩渕香里(松本大)は18位。
ミスして納得のいかない飛躍でも、勝てる力がある。高梨は2回とも踏み切りのタイミングが遅れ、内容には不満を口にしつつ、得点ではしっかりトップに立った。W杯の連勝を3に伸ばし「いい流れに乗れていると思う」と笑みを見せた。
1回目。直前に飛んだイラシュコがW杯でのジャンプ台記録を更新する99・5メートルをマークした。「盛り上がりがすごかったので気にはなった」と言うが、集中力を切らさずに97メートルに着地。ライバルより1メートル低いスタート位置から出てHSの95%以上飛んだことによる加点を受け、飛型点でも上回って首位に立った。
2回目も上位選手ではただ一人不利な追い風を受けながら、K点を4メートル越えた。札幌では3シーズン負けなしの6連勝。「ジャンプ台の特徴はつかみ切れているかな」とうなずいた。
これで今季は5戦4勝。精密機械のような安定感に、昨季の個人総合女王イラシュコも「もしかしたらアンドロイドじゃないかと思っている」と舌を巻く。2季ぶりの個人総合優勝へ勢いは止まりそうもない。