佳純エースとしての貫禄のみせ4度目V
「卓球・全日本選手権」(17日、東京体育館)
シングルスの決勝が行われ、女子は8月のリオデジャネイロ五輪代表候補に内定している石川佳純(22)=全農=が、中学3年の平野美宇(15)=エリートアカデミー=を4-1で下し、3年連続4度目の優勝を果たした。男子は水谷隼(26)=ビーコン・ラボ=が3連覇し、斎藤清に並ぶ史上最多タイの8回目の優勝を飾った。
石川が“横綱卓球”で成長著しい15歳の前に立ちはだかった。ガンガン攻めてくる平野に対し、それを受けきった上でポイントを重ねた女王。1年間男子との練習でパワー、スピードを磨いた成果を発揮し、「先にドライブを打ったのは相手でも、サーブレシーブで先手を取っていたのは私」と胸を張った。
昨年は“勝って当然”という重圧の中でダブルス、混合ダブルスと合わせた「三冠」を達成し、大粒の涙をこぼした。しかし、今回は余裕を漂わせてのシングルス制覇。「昨年とは違って楽しんで優勝できた。自分のプレーを出せば結果はついてくる」と、プライドをにじませた。
「ラリーでは勝負できた」と手応えを口にした平野に対し、1ゲームこそ奪われたものの石川は「まだラリーでは負けてないです」とキッパリ。「美宇ちゃんは球の質が上がって大人のプレーに近づいてる」と認めながらも「まだパワーはないし、球の回転は少ない」と注文をつけた。
リオ五輪開幕まで残り200日。自身が進化を続けるからこそ、若手の成長も高みから見下ろせる。「私は前に進むことが大事。成長し続ける限りは抜かれることはない」。3連覇を成し遂げたエースは「あと7カ月、さらにパワーアップしてリオに臨みたい」。シングルス初のメダル取りに勢いがついた。