錦織全豪19勝目で5年連続16強
「テニス・全豪オープン」(22日、メルボルン)
男子シングルス3回戦で、世界ランク7位の第7シード、錦織圭(26)=日清食品=が、同27位で第26シードのギリェルモ・ガルシアロペス(スペイン)に7-5、2-6、6-3、6-4で勝ち、5年連続で4回戦へ進んだ。錦織は女子の杉山愛と並んで日本勢最多の全豪19勝目を挙げた。4回戦では世界10位で第9シードのジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)とベスト8進出を懸けて戦う。第3シードのロジャー・フェデラー(スイス)はグリゴル・ディミトロフ(ブルガリア)に勝ち、男子初の四大大会通算300勝に到達した。
正念場を高い修正力で乗り切った。試合中に痛みを感じ、トレーナーから右手首の治療を受けた錦織は第2セットで精彩を欠き、今大会初めてセットを落とした。五分五分の状況で「自分でも、もうちょっと打っていこう」と誓った。本来の攻撃的なテニスで5年連続4回戦に進出し、安堵(あんど)の笑みが浮かんだ。
ストレート勝ちした過去2度の対戦とはガルシアロペスのショットの質が違った。スピン系ではなく、フラットなボールを多用され「がつがつ打ってくるのを予測していなかった。それに少し押された」と振り返った。
身長が10センチ高い相手のサーブが良かった第1セットは3-5から盛り返して奪ったものの、第2セットは圧倒された。好調だった自身のサーブが思うように決まらず、厳しい状況だったが「こういう時もある」と切り替えた。積極的に前へ出たほか、鋭いリターンで流れを変えて第3セット以降は着実にポイントを奪った。
全豪オープンはこれで19勝6敗。「四大大会で一番好き」と話すだけに最も勝率が高く、杉山愛と並んで日本勢最多の全豪19勝目を挙げた。今後に向け「グランドスラムは2週間と長い。(サーブが)悪い時でも違うところで補えるようにしたい」と、前を見据えた。
4回戦では昨年の全仏オープン準々決勝で敗れたツォンガと戦う。過去6回の対戦では錦織が4勝2敗とリードしている。2年連続の8強へ「いい試合になると思う。リベンジしたい」と必勝を期した。