沙羅5連勝!2回目に最長不倒100M

 「ノルディックスキー女子・W杯ジャンプ」(23日、クラレ蔵王シャンツェ)

 高梨沙羅(19)=クラレ=が合計241・3点で制して5連勝とし、今季6勝目、通算36勝目を挙げた。1回目に94・5メートルで首位に立ち、2回目は最長不倒の100メートルを飛んだ。勢藤優花(北海道メディカルスポーツ専門学校)が96メートル、95メートルの228・2点でW杯自己最高の5位に入った。伊藤有希(土屋ホーム)は7位、岩渕香里(松本大)は14位だった。

 1回目を終え、2位との差は飛距離換算で1メートルにも満たない1・2点。重圧がかかる接戦で高梨がまたも強さを見せつけた。2回目に100メートルに達し、指定席となっている表彰台の中央に立った。ただ高い理想を追うジャンパーは納得していない。飛躍の内容に不満そうで「課題の残る試合となった」と表情を曇らせた。

 22日の吹雪から一転、この日は穏やかな条件でテンポ良く試合が進んだ。何度も中断を挟んだ第6戦との落差からか「準備が遅れてしまった」と言う。2回とも踏み切るタイミングが遅れ「(第6戦と比べ)いきなり何でこんなジャンプになってしまったんだろう」と首をかしげた。優勝したとは思えない浮かない顔だった。

 日本開催のW杯4連戦を全勝して連勝は5に伸びた。今季は7戦6勝で早くも昨季の勝利数に並んだ。通算でもW杯出場63試合で36勝と驚異的なペースで白星を積み上げている。

 2季ぶりの個人総合優勝へ独走する日本のエースを阻むライバルは見あたらない。それでもおごらず「反省点を細かく挙げたい」と強調する貪欲さが、強さの源泉なのだろう。

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