広島 大黒柱・鎧坂欠くも粘りの2位
「全国都道府県対抗男子駅伝」(24日、広島市・平和記念公園前発着=7区間、48キロ)
優勝候補の筆頭だった広島はトップと31秒差(2時間20分43秒)の2位でゴールした。右足の状態が思わしくない主将・鎧坂哲哉(25)=旭化成=が補欠にまわったが、主力不在の中で堂々とした結果を残した。なお、2時間20分12秒を記録した愛知が、初の栄冠に輝いた。
地元の大声援を背中に浴びながら、アンカー工藤がゴールラインを越えた。2年連続で優勝候補に挙がりながらも、またしても手が届かなかった。それでも主力不在を全員で補い勝ち取った価値ある2位に、沿道は拍手喝采に包まれた。
毎年、課題と言われ続けてきた1区で、中島が首位とわずか12秒差で流れをつくった。2区・前垣内が3位に押し上げ、5区で吉田が区間3位の好タイムを記録し2位に浮上した。鎧坂に代わって急きょアンカーを任された工藤も力強い走り。岩本監督は「優勝できなかったのは悔しいが全員がよく走ってくれた」とたたえた。
チームの合言葉は「鎧坂に頼らない」だった。世界選手権1万メートル代表のエースは、右足の状態が万全ではなく前日23日、メンバーから外れた。「これまで鎧坂さん頼みだった。そこから脱却しないといけない。そういう気持ちで走った」と3区の北。一人一人が、広島代表という自覚と責任を、これまでよりも強く持ち、安芸路を駆け抜けた。
第1回大会以来の優勝は、お預けになった。だが選手層の底上げは確実に進んでいる。「優勝できず悔しい思いはある。来年は優勝に導ける走りがしたい」と工藤。来年こそ、広島をもっと大きな歓喜の輪で包む。