「テニス・全豪オープン・準々決勝」（２６日、メルボルン）

　シングルス準々決勝の男子で第７シードの錦織圭（２６）＝日清食品＝は前年王者で第１シードのノバク・ジョコビッチ（２８）＝セルビア＝にストレート負けし、日本男子では１９３２年の佐藤次郎以来８４年ぶりの準決勝進出を逃した。第３シードのロジャー・フェデラー（スイス）は２年ぶりにベスト４に進出。女子は第１シードのセリーナ・ウィリアムズ（米国）が２年連続で４強入りした。

　最後は鮮やかなバックハンドの強打を決められ、厳しい表情でうつむいた。昨年、２度のチャンスではね返された四大大会のベスト４への壁は、今回も高かった。錦織は空気が張り詰めたセンターコートで、世界最強のジョコビッチの圧力に屈した。好不調の波が大きく「ミスをしすぎた。ふがいない」と、声の調子を落とした。

　ボティーニ・コーチが「安定したプレーをし、集中して主導権も握らないといけない」と挙げた勝利の条件をクリアできなかった。錦織が悔やんだのが第１セット、２－３で迎えたサービスゲーム。４０－０としながら、ショットを制御できずに５連続でポイントを落として初のブレークを許した。「あのゲームを落としてからミスが出だした」と振り返った。

　相手を勢いづかせ、自身にも焦りが出てこのセットを落とすと第２セットもストロークが乱れて簡単に奪われた。第３セットは２度ブレークしながら、ミスもあって直後のゲームを落とした。「まだまだ差はある」と言うように、勝負どころで着実にポイントを重ねた王者とは対照的だった。

　決定打の数では相手の２２本を上回る３１本を記録したが、凡ミスは２倍の５４を数えた。今季最初の四大大会は昨年の全豪、全仏と同じ８強止まり。「あまり落ち込みたくはないが、一番強い選手だとはいえもうちょっと何かできた」と、やるせない思いを胸に真夏のメルボルンを去ることになった。