沙羅さらっと9連勝!今季10勝目
「ノルディックスキーW杯・ジャンプ女子」(6日、ヒンツェンバッハ)
高梨沙羅(19)=クラレ=が合計257・2点で優勝、自己最多記録の連勝を9に伸ばして今季10勝目を挙げ、通算40勝とした。1回目に最長不倒の93・5メートル、2回目も93メートルを飛んだ。勢藤優花(北海道メディカルスポーツ専門学校)は15位、伊藤有希(土屋ホーム)は20位だった。
高梨の強さの前では、ライバルたちも引き立て役になってしまう。1回目、好調のブティッチ(スロベニア)と地元オーストリアで昨季個人総合女王のイラシュコがともに88メートルを飛び、観客が大喜びした直後だった。ただ一人90メートルを越え、ヒルサイズにあと0・5メートルと迫る別次元の飛躍。2回目も93メートルを飛んでの圧勝だった。
90メートルを越えたのは高梨だけ。その姿は自信と余裕にあふれ、ぶれがない。助走、踏み切り、空中姿勢から着地まで全てが機械のように正確だ。それでも「2本とも(踏み切りの)タイミングが遅れて失敗した」と言う。今季唯一ラージヒルで開催された4日の前戦から、ノーマルヒルに戻ったことによる感覚のずれを反省した。
一方で「タイミングが遅れても距離を伸ばせたのは、空中でリカバリーできる能力がついてきたのだと思う」とも。9に伸びた連勝が途切れる不安はないのかと問われ「結果とか記録のことを考えていない。自分のジャンプの質を上げるだけ」と答えた。全く隙のない高梨を、止める選手はいるのか。