南半球の強豪が集うスーパーラグビー（ＳＲ）のレッズ（オーストラリア）に加入したＦＢ五郎丸歩（２９）＝ヤマハ発動機＝が８日、オーストラリア東部ブリスベン郊外で入団記者会見に臨み、抱負を語った。会見後は本拠地スタジアムで行われた練習に初参加。冒頭約２０分間が報道陣に公開され、五郎丸は監督や選手と談笑する姿も見られた。チームは２７日に開幕戦を迎える。

　胸の高鳴りを抑えきれない。チームのポロシャツを着て会見場に入った五郎丸は通訳を介して質問に応じた。「ブリスベンはとても良い街で非常に心地よい。レッズの役に立てるようにしたい」。練習に打ち込める環境をたたえ、意気込んだ。

　時折、英語でのあいさつも披露して笑いも誘った。ラグビーについてはプレーの速さに強い印象を受けているとし「早くそのレベルに達したい」とする一方、キック力をアピールして自身のプレーへの自負ものぞかせた。

　レッズを選んだ理由に、家族と過ごす時間の確保を挙げ「街中に公園が多くあり、休日に子どもと過ごせる」と、生活面の充実にも期待した。午後からは練習に初めて参加。大柄な同僚に交ざってパス回しなどをした。

　「レッズで最もファンが多いのは今や、五郎丸選手」。ブリスベンの地元紙は８日付紙面で、熱狂的な日本のファンの存在を伝えた。キックの際に体の前で手を合わせる独特のポーズから、忍者の称号を与えられていると紹介、その攻撃が今のレッズには必要とされていると解説した。

　チームは１２日にブランビーズ（オーストラリア）とプレシーズンマッチを戦う。五郎丸の出場は決まっていないが「いろんな失敗、苦しい思いをすることがあると思うが、一日でも早くチームの力になれるように頑張りたい」。まず目指すのは定位置獲得だ。