「近藤VS浅見」最終戦での決着に闘志

 柔道のグランドスラム(GS)パリ大会を終えた女子日本代表が12日、羽田空港に帰国した。リオデジャネイロ五輪代表争いで一騎打ちとなっている48キロ級の近藤亜美(20)=三井住友海上=、浅見八瑠奈(27)=コマツ=はともに表彰台に上れず、共倒れ。最終選考会となる全日本体重別(4月・福岡)での完全決着に向け、闘志を燃やした。

 元世界女王2人によるマッチレースは、最終戦に持ち込まれた。GSパリでまさかの初戦一本負けに終わった14年世界選手権優勝の近藤は「万全の準備で臨んだつもりだったけど、一瞬のスキで…。結果を受け止めて、今後に生かしていかないといけない」と、悔恨した。昨年12月のGS東京で浅見との直接対決を制して優勝し、優位に立っていたが、今回の結果で混戦を招いてしまった。それでも大会後の合宿では気持ちを切りかえて、海外の強豪と積極的に組み合った。「(五輪は)近くはない。でも諦めたくない。(体重別で)しっかり勝って、結果を待ちたい」と、必死に前を向いた。

 近藤を逆転するチャンスがあった10、11年世界選手権優勝の浅見も、準決勝、3位決定戦で敗れ、5位に終わり、好機を逸した。それでも「収穫の多い試合だった。海外選手の五輪への思いを感じたし、自分もまだまだできる」と、新たな刺激を受けた様子。4年前のロンドン五輪代表争いでは、終始選考をリードしながら、最後の体重別で痛恨の1回戦負けを喫し、福見友子に逆転選出を許した。今回はほぼ横並びの状態で運命の体重別を迎える。「4年前に経験しているし、またこの時がきたなと思う。(体重別で)勝った方が選ばれる。チャンスがあるのはありがたい」と、最終決戦を見据えた。

 谷亮子らが築きあげてきた日本の伝統階級といえる女子48キロ級だったが、ロンドン五輪では初のメダルなしに終わった。復権の担い手となるのは、果たしてどちらか-。

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