葛西3戦連続3位!止まらんレジェンド

 「ノルディックスキーW杯・ジャンプ男子」(12日、ビケルスン)

 43歳8カ月の葛西紀明(土屋ホーム)が231・5メートル、230メートルの飛躍をそろえて418・5点で3位となり、自身のW杯最年長表彰台記録を塗り替えた。葛西の表彰台は3試合連続で今季4度目。通算では歴代9位の60度目。ロベルト・クラニェツ(スロベニア)が432・8点で3季ぶりの通算6勝目を挙げた。伊東大貴は19位、栃本翔平(ともに雪印メグミルク)は24位だった。

 粉雪の舞った得意のフライングヒルで、またも最年長記録を塗り替えた。葛西はヒルサイズ(HS)を越える230メートル以上の飛躍をそろえ、3戦連続で表彰台に立った。ただ、今季9勝のP・プレブツ(スロベニア)が伸び悩んだだけに「勝てると思った。せめて2位になりたかった。うれしさより悔しさがある」と笑みの中に悔しさもにじませた。

 10位から順位を上げた第16戦に続き、2回目に勝負強さを発揮した。1回目はHSを6・5メートル越えたが、有利な向かい風が強かったこともあり5位にとどまった。最後の飛躍は追い風が吹き、飛び出した瞬間は「200メートル手前に落ちる。駄目だと思った」。それでも後半にぐっと伸びて230メートルに達した。

 飛距離の出るフライングヒルが大好き。助走速度が時速100キロ前後まで上がり、踏み切りも難しくなるが「考えてタイミングを合わせようとしていない」と、無心で挑んでいることが奏功して好結果につながっていると自己分析する。

 恐怖心の克服も鍵を握るが、葛西の場合は飛距離への思いの方が勝っている。「どこまでいけるんだろうという、わくわく感がたまらない」と、少年のように目を輝かせた。

 ビケルスンではまだ残り2戦あり、最年長勝利の期待が高まる。「この勢いで3、2、1(位)といきたい」と力強く宣言。永遠のレジェンドはまだまだ進化し続ける。

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