錦織4連覇!次こそグランドスラムだ
「テニス、メンフィス・オープン」(13日、米メンフィス)
男子シングルス決勝で世界ランキング7位の第1シード、錦織圭(26)=日清食品=は世界145位のテーラー・フリッツ(18)=米国=に6-4、6-4で勝ち、大会史上初の4連覇を達成した。通算4度の制覇は1978、79年と83、84年に優勝したジミー・コナーズ(米国)と並んで大会最多。今季初優勝となるツアー通算11勝目で優勝賞金10万9950ドル(約1240万円)を獲得した。
世界のトップ10に定着した錦織が、18歳の新鋭、フリッツのチャレンジをがっちりと受け止め、はね返した。「自分もいろんな経験をして強くなっている。18歳を相手にも、しっかりといいテニスができた」とプライドをにじませた。
日本のエースのツアー初制覇は08年2月。世界ランキング244位、18歳で迎えたデルレービーチ国際選手権の決勝で世界12位のブレーク(米国)を破った。若さが持つ勢いのすごさを自身でも知っているだけに、今回の決勝に向けては「負けたら一生引きずるのではないかと考えた部分もあった」という。
第1セットに0-3とリードを許しても、激戦の経験から焦りはなかった。11年の全米クレーコート選手権決勝で緊張から格下に敗れたことを思い出し「思い切っていくように心掛けた」と自らを鼓舞した。シーズンオフの練習相手でもあるフリッツのバック側を攻めて流れを取り戻すと、第2セットはフォアの強打も決まり「最後は完璧なテニスだった」と胸を張った。
ただ、大会初の4連覇、ツアー通算11勝目も通過点にすぎない。「出場メンバーに(ほかに)トップ10がいるわけではない。優勝に価値はあるが、ほとんどうれしくない」と本音も漏らした。
今大会の第2シードは組み合わせが決まった段階で世界ランキング30位のジョンソン(米国)と手薄だった。同じ週のアルゼンチン・オープンには世界5位のナダル(スペイン)らトップ10が3人出場していただけに、今回は勝って当然の舞台と捉えていた。
四大大会は別格として男子のツアー大会の格付けは、「250」「500」「1000(マスターズ)」と三つに分かれる。メンフィス・オープンは「250」と最も低い。年間9大会ある「1000」のタイトルはまだ手にできておらず、四大大会制覇とともに、大きな目標となっている。錦織は「このテニスを続ければマスターズでもいい結果を出せる」と先を見つめた。