大野 男子73キロ級Vでリオ五輪へ前進
「柔道・グランプリ大会」(20日、デュッセルドルフ)
男子73キロ級で大野将平(24)=旭化成=が優勝した。昨夏の世界選手権に続く制覇で、リオデジャネイロ五輪代表入りへ前進した。大野は立ち技がさえ、準決勝は世界ランキング1位の安昌林(韓国)に優勢勝ち。決勝では同2位のルスタム・オルジョフ(アゼルバイジャン)から内股で技ありを奪った。
女子70キロ級で世界ランク6位の新井千鶴(三井住友海上)は、決勝で同8位のベルナデッテ・グラフ(オーストリア)に一本負けして準優勝だった。
強豪を連破しての優勝にも大野は淡々としていた。男子73キロ級の世界王者は「全ては8月。そこで勝たなければ意味がない」とリオ五輪の舞台をにらむ。
準決勝は前々週のグランドスラム・パリ大会を制した安昌林、決勝は背の高いオルジョフを相手に、得意の内股で技ありを奪い優勢勝ちした。危なげない闘いぶりだったが、本人は決勝で返し技に一瞬バランスを崩した場面を反省。持ち前の体幹の強さでこらえたが「ああいう場面をつくらせない技術も大事」と、わずかな隙も与えない柔道にこだわる。
いずれも世界選手権で優勝した実績を持つ秋本啓之(了徳寺学園職)中矢力(ALSOK)が五輪代表争いのライバルだ。日本男子の井上康生監督は「大野がここで、頭一つ二つ抜け出した状態ではないかと思う」との評価を与えた。